日本で初めての黄花ジャンセアの開花

 南アフリカのケープタウンにあるキルステンボッシュ植物園(Kirstenbosch National Botanical Garden)の館長であった、John Winter氏にお世話いただき、黄花ジャンセアの原種と彼による交配株を入手ました。

ここでは、彼の交配株が、初めて開花し、なかなか面白いものですので紹介致します。日本で初めて咲いた黄花で極めて貴重なものです。

 
 

 

 一般的にジャンセアの花は綺麗なものが多く見かけますが、この花も充分に美しいものであると評価していいと思います。

ジャンセア独特の柔らな感じの赤い苞が綺麗で、また、花首がスッキリと長く、淡い紅の色合いが優れているからです。

オレンジの花と比べると分るかと思いますが、この花は、柔和で鮮やかな色調が特色であり、ある意味貴重であります。

 



草姿はいたって普通のジャンセアと同じと言っていいと思います。ただ、茎は白みがかった輝きがあり、がっしりしています。

 

花立ちは、初めて咲いた割には、たて続けに3つ咲きましたので、やがて平均的には一条当り2花程になるとみております。

これは、ジャンセアは当然のことながら、花立ちはレギネーに劣るのは仕方がない中で、充分に合格といってよいでしょう。
 



花色の遺伝的特性について

John winter氏によれば、この花は黄花原種ジャンセアの花粉をオレンジのジャンセアに交配したものとのことです。

花色の遺伝的優性劣性がジャンセとレギネーでは違うのではないかという疑問が湧いてきます。

ストレリチアの遺伝的特性は分らないことが多いのですが、ここでは、以下の問題を提起致します。即ち、

ジャンセアの場合: (Orange X Yellow) = Yellow

レギネーの場合 : (Orange X Yellow) = Orange

つまり、ジャンセアの黄花の遺伝子はより優性的であり、レギネーでは逆になり劣性的になるということです。※1

 

※1、ストレリチアの遺伝特性は余り解明されておらず、上記のようなことが起きる事は、確実ではないと考えられます。

   また、花色遺伝子は不完全優性であることが分りつつあり、中間色の存在の解明など今後更に実験をする必要があると判断しております。

   花色の変異・中間色についてはここを参照