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ストレリチアの苞のいろいろ

(今までの取組み)

極楽鳥花の苞(仏炎苞)については、今まで、「いかに綺麗な赤にするか?」また、「なるべく全面にわたり赤くするか?」が中心の課題であった。(図1)
しかし、多くの個体を見ると、そこには、色々なバリエーションがあり、別の種類の面白い色合いも追求すべきと思うに到りました。そこで「ストレリチアの苞にはどんな美しい色合い・組み合わせがありうるか」を検討します。

 (図1) 今まで追求してきた 典型的な赤い苞
 

(現存する苞の色合)

それではどんな色合があるのか?
実際には1株1株大小様々な違いがあります。全く同じということは、ありません。
(但し、株分け株のようクローンの場合は同じですが、ここではあくまでクローンは考えない)
そして、赤み一辺倒ではなくても、綺麗な、着目すべきもの色々あることに、その大切さを看過すべきではないと思っています。
しかも、美しい色合いは、いくつかのグループに分類できると考えます。(図2

                     ( 図2)


(仏炎苞色の色調の構成)

上記の分類は見た目の違いによるものである。
が、このままでは「色合いをどうしたら改良できるか?」という課題には応えていない。

まず、色合いはどのように構成されているのかを考えるべきだが、構成要因は2つある。
①赤、緑、黄の色素が苞の「素地」となっている (表1)
②白い粉は表面を塗装する「白粉」といえる  (表2)

(表1) ---- 素地の色


(表2) ---- 白色化の度合い


以上を要約すると以下のようにまとめる事ができる。
仏炎苞の色 = 素地の色(構成色素の組み合わせ) X  白色化(白粉の量)
としてまとめられる。

(今後への期待と可能性追求)

それでは、今後への期待はどんなものがあるか検討したい。
今あるもので、新しい色の可能性を示唆するものを提起しますので、具体的にイメージして下さい。


可能性1:赤をより濃くする、また、薄くすることで明るく美しくなる。
濃い赤の重厚感は素晴らしい、一方で、より明るい赤系の色は不可能ではない



可能性2:極楽鳥花の持つ多色性を生かす。



可能性3:素地を薄い色にし、白粉を付ける。
仏炎苞の色を薄くすには限界があるが、白粉は増やすことが出来るようである。


他にも、苞の色を美しくする可能性があるかも知れないが、君子欄(Clivia)のようにはいかないであろう。
花首、花弁、萼(トサカの部分)との連携での改善可能性は、まだまだ追及されるっべきものと考えられる。