ストレリチアの紹介


ストレリチアは南アフリカ原産の植物といわれていますが、1800年以前に発見されたものの、未だにその特性が理解されていないところが多々あります。

また、そもそもストレリチアはどのように分類されるのかといったことも変化したりしています。例えばストレリチアは数年前バショウ科でした。しかし今はストレリチア科として独立しました。
そこで先ず、ストレリチアとは何かを探ってみます。

ストレリチアは3つの地域に分布しています。(上図参照)
そして3つの地域は全て南半球にあります。

私の想像ですが、ストレリチアはゴンドワナ大陸で生まれ、その後1〜2億年の年月を経て進化してきたのではないでしょうか。ゴンドワナ大陸の分裂とアフリカ大陸と南アメリカ大陸の分離・移動により今日の地域分布となっていると思います。
そこで、各々の地域のストレリチアはどういうものか、どんな違いがあるかを見てみたいと思います。


上図は上段が各地域のストレリチアの姿形を描いたもので、下段は交配の役割を果たす送粉者が描かれています。

マダガスカルと南アメリカのストレリチアは基本的に似ていると感じられます。扇形の構造を持ち大型化しているという点は一致しているからです。
また、花の形も両方ともボートの形に似ており、ヘリコニアのように交互に突き出た形であり、花茎で連結されています。
ただ、南アメリカのタビビトノキの場合、コウモリが夜行性のためか、株とは別の場所にニョキッと花茎が目立つように、地面から出てきます。つまり、花が葉に隠れないようにするための工夫がある点での違いはあります。しかし、このこと以外は、よく似ていると思います。

しかし、南アフリカのものは全く違うと言っていいでしょう。花が格段にきれいになっています。そして、花の形が元気に動く鳥の姿に見えます。

送粉者と植物は一緒になって進化するといわれますが、鳥からみた花の美しさへの評価が独自の進化を生んだと考えられます。
つまり、マダガスカルと南アメリカのストレリチアは基本的に大型化することが進化であったのですが、南アフリカでは、鳥の鋭い鑑識眼が美しさという進化を促したのだろうと考えられます。

また、南アフリカの水が乏しく、時として寒くなる環境に適応するため、大型化とは逆に小型化や葉の矮小化が進んだと考えられます。

その結果として、色んな極楽鳥花が誕生したのではないでしょうか。

これ以降は南アフリカの美しいストレリチアのみを取り扱うことに致します。

近年では、人間が美しさの判定に参加し、鳥に代わって、送粉者の役割を担っています。
人工交配により更に美しい花を作ろうということですが、日本では1980年ごろより、花卉としての品質が格段に上がる品種開発が行われました。
極楽鳥花は、赤、黄(橙)、青といった3つの原色が花首、苞、がく、花弁に配置され一つの花として形成されています。これは他に類を見ないものであります。この特徴は、鳥が開発したものかもしれませんが、これからは人間が生かさなければならないと考えています。

ストレリチアは丈夫な多年草です。一旦手にすると、長期間付き合うことになる植物です。じっくり育てしっかり楽しむことの出来るものですから、それに応えるストレリチアを選ぶことが大切だと思います。


    南アフリカのストレリチア(極楽鳥花)について、詳しくは.......

   ストレリチアの種類と性質 を参照


      どうやって選ぶかのヒントなら、

    ストレリチアの選択の考え方  を参照下さい。