やまいもの使い道
 


 ヤマイモと言えば「とろろ」というイメージが強い。確かに、ヤマイモはイモの中では生で食べることのできる稀な芋である。そして、刺身と同様に、酵素などを破壊することなく取り込めるので、生で食べるのが最も良いとされる。


日本では、ヤマイモは無味無臭にして、強いて言えば「コク」があるということで自然薯が最良という意見が多くを占めてきた。しかし、実際には、無味なるがゆえにだし汁、調味料による味付けがなされ、それが「とろろ」の味となっている。

そのため、粘りのある芋が「コク」がある、そして舌にてごたえを感じることができるため粘り重視が主流である。

ただ、ヤマイモが生で食べられることからサラダに入れる事が本格化してから、長芋のような粘りの少ないさっぱりしたシャキシャキ感のあるものが多用されるに至っている。

つまり、新しい用途の発見により、善し悪しが変わるのである。
そこで、過去数百年〜千年の間、ほとんど同じものを食べてきた日本であるが、近頃の「日本の熱帯化」に着目し、ヤマイモを熱帯性イモを加え再評価すべきと考えるに至りました。

 

先ず、熱帯性ヤマイモの特徴は、甘みのある品種があることです。因みに粘りもあります。(下図参照)

 


「とろろ」のみならず、甘みを要する煮物に加えるもよし、サラダの風味に加えるのも面白いかと思われる。

広く考え、多くの人がアイデアを出して試行錯誤し、面白い調理方法が考え出す時だと思っています。

ただ、甘みがあるとそれ自体上手いことも事実ですから、アイスクリーム、シャーベットへの利用は、既にアジアで行われています。

もう一つの視点は、省エネ、夏季酷暑対策です。

草勢の強いヤマイモの特徴を生かす「緑のカーテン」です。

 


熱帯性のイモは草勢が強く「緑のカーテン」にし易い性質がある。地下の芋が大きいものは地上部も大きい。

温帯性のものは、草勢は相対的に弱いが、芋を密に並列に置いて育てる等すれば、大きな面積をカバーできる。

ただ、熱帯性のものは、上図のように、自分の気に入ったカーテンを作る楽しみがある。

しかも、芋が大きく、高品質で滋養性に優れたものがあることが、更に嬉しいことではないか。